不定愁訴
医療幻想 (久坂部 羊著)を読んで
この本の中にオールマイティの診断名という章がでてくる。
ふらつき、めまい、異常な発汗、肩こり、息が詰まる感じ、イライラ、なんとなく気分が悪いなどの症状を、「不定愁訴」と呼ぶが、検査をしてもみつからないと、「自律神経失調症」ということになる。この先生もこの診断名をよく使うそうです。
高齢者は、朝起きた時にふらつく、耳鳴りがする、吐き気、頭痛、身体がだるいなど、さまざまな症状が多く、それはたいてい自然な老化現象だが、当人はなかなかそれを認めようとしない。「年のせいです」と言うと、すこぶる反応が悪いので、「自律神経失調症ですね」と説明すると納得する。高齢者の多くは、病気だと言われたほうが喜ぶらしい。年のせいだと言われたら治らないが、病気なら治る可能性があるからということのようです。