哺乳類から始まった「うつ」。
そもそも、うつ状態が認められるのは、動物の中では哺乳類からだという。乳を与えて育てるという愛着の仕組みをもつ哺乳類は、子供や仲間を失ったときに、うつを思わせる反応をしたり、喪の儀式のようにみえる行動をとるという。愛着の対象を喪うことを「対象喪失」というが、対象喪失が気分に影響を与えるのは、哺乳類の段階から、われわれに組み込まれたメカニズムであり、それは愛着や愛情と不可分の現象だと言える。動物が「うつ」を思わせる状態を呈するのは、対象喪失に限ったことではない。実験的に、動物を水槽で溺れさせるなどして絶望的な状況に置くと、外界に対して無抵抗な状態が出現する。危険が去っても、その状態はしばらく続く。絶望感がある限界を突破してしまったとき動物は「うつ」になるのだ。仲間から拒絶されたり、群れから追い払われたりした社会性哺乳類においても、「うつ」を思わせる反応が見られる。対象喪失、疲労困憊と絶望、仲間からの拒絶や「見捨てられ」は、われわれ人間においても、うつの主要な原因であるが、その原型はすでに哺乳類の祖先から発達してきたものだろう。(うつと気分障害 岡田尊司著より)人間も、哺乳類の動物も、仲間はずれをされるとうつになることがあることがよくわかった。子供でも、1人でいるときに、人間がやってくると、よちよち歩きでもその人間に近づいてくる。人間って群れを成す動物なんだなと感じることがある。しかし、群れをなしてばかりでは、成長できない場合もあると考えます。ノーベル賞をもらった中山教授や益川教授もうつみたいになったと言っている。
絶望から希望がうまれるということかもしれない。心が極限に振れる経験をすることは、重要なようです。しかし、いきすぎると病状が悪くなりすぎて復帰できなくなる可能性もあるように思える。その個人個人の心の強さを何かの計器で計測できるなら、その人に合った、ライフイベントが経験できそうです。
心の強さは、その人の遺伝が大きいのだろうか、それとも環境が大きいのだろうか気になるところです。私も、同様な経験があります。
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