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日本にはリン鉱山がないという話。

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農作物の成長に不可欠なのが、三大栄養素といわれる窒素、リン酸、カリウムです。窒素は細胞の原料となるタンパク質を構成する元素で、特に葉の成長に必要だと言われています。リン酸はブドウ糖と結合して、やはりタンパク質原料になります。また、花、つぼみ、種の付き方を左右する栄養素でもあります。カリウムは根の部分に効果を発揮する栄養素です。

なぜ有機質肥料ではなく化学肥料が選ばれるのか。窒素は牛糞には概ね1%しか含まれていません。しかし簡単には溶けださないという性質があり、ものによっては投入した1年目には20%程度しか有効利用できないともいわれています。つまり、窒素1kgを作物に与えるためには牛糞をおおよそ500kgいれなければならなくなります。化学肥料で調節するほうがはるかに簡単です。

窒素の原料になるのはアンモニア、尿素、硫安(硫酸アンモニウム)ですが、農林水産省の資料によると、日本はアンモニアの14%、尿素の36%を輸入により賄っています(平成20年度、工業用含む)。リン酸はリン鉱石あるいはリン安(リン酸アンモニウム)から生成されますが、日本にはリン鉱山が存在せず、リン鉱石は全量輸入しています。国内で生産されるリン安も、輸入リン鉱石が原料です。アメリカなどは国家戦略でリン鉱石の輸出を禁止しているなど、現段階ですでにリン鉱石の囲い込みが始まっています。今後の人口爆発で食糧が奪い合いになったら、リン鉱石を輸入することが難しくなるのは火を見るより明らかようです。2005年ころからアメリカは輸出に制限をしているということです。

日本では、リンをリサイクル技術が開発されているようです。なかなか思うようにいっていないようです。

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