利益相反行為に当たるかどうかは、行為を客観的に見るというところがポイントになる。
抵当権を設定するという場合、これが厄介です。
親が借金した、債務者である。子供名義の不動産を持っていた、子供の不動産に抵当権をつけるという。子供が設定者になる。親が債務者である。これは、親のために子供が抵当権を設定してあげるということだから、親に利益で、子供に不利益な行為となります。
したがって、子供が、抵当権を設定するということが、利益相反行為にあたる。だから、これについて、親が代理できない。特別代理人が出てくることになる。
これは、親と子供が、直接売ったり、買ったり、あげたり、もらったりするものではない。
他の債権者との関係で、子供がやることである、そして子供の代理人として親がやることなんですけど、債務者が親だから、親に利益になってくる、というものである。
間接取引という。間接取引のときの、利益相反行為にあたるか、あたらないかが厄介である。
考え方は、2つあって、客観的に判断するというのが、判例です。反対説もある。
誰のための抵当権の設定ということだけで、親が出てこれなくなる場合がある。客観説である。中身はみない。親が借金したのが、子供の学費を捻出するため、や子供が重い病気で治療費を捻出するためである場合に、親が借金する。それで、子供名義の不動産を担保に入れるしかないということで、子供が抵当権を設定する場合に、親が代理できるのか、できないということです。
借金は子供のためであるが、中身はみないということです。だれが債務者か問うことしかみない。これが間接取引の時の、利益相反行為の判断です。
逆に、子供名義で借金していた場合は、これは利益相反行為にならない。親がかなり借金していて、自分の名前では、お金を借りられない。それで、子供の名前を書いた。子供の代理人として借金した。
利益相反行為にならないことになる。客観的にみると利益相反行為ではない。子供名義でやったことは、ひどいことのように思えるが、ひどいねというだけで、利益相反行為ではない。
あまりにもひどいということで、親の行為を無効にできないかということで、代理権の乱用というものがあり、無効にできることがある。原則は、利益相反行為ではない。
子供の借金が、親のためのものであっても、子供の名義の不動産を担保にいれる、これは利益相反ではない。親が抵当権の設定の代理人としてでていける。特別代理人は、選ばれません。
ともかく、誰の名義で借金していて、誰の名義の不動産に抵当権をつけるかという、形式的なところしかみないで判断する。中身は考慮しない。これが客観説です。
AとBが結婚していて、Cが未成年の嫡出子である場合、AがBに無断で、Cの財産を第3者に、売却した場合は、無権代理となる。共同親権の原則である。
Bが、子供の不動産の売却に反対していたが、Aが父母の共同名義でCの財産を第3者に売却した時はどうか。
父母の一方が共同の名義でした行為の効力は、父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手が悪意であったときは、この限りではない。
ということで、父母の2人の名前を、1人の親が書いたときは、原則有効になるということである。相手が知っていた場合は、無効になることになる。
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